【2025年】4種の豆で手作り納豆に挑戦|ポイントとおすすめの方法を紹介!

みなさん、あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いいたします。

この記事は、2025年の最初に記事になります。更新が少なくなり、申し訳ございません。

私は納豆が大好きなのですが、手作り納豆にチャレンジしたことがありませんでした。そこで、今回は、昨年の夏に挑戦した納豆作りを紹介します。方法やポイントだけでなく、豆の種類による違いについても紹介するので、ぜひ納豆作りの参考にしてください。

納豆がうまくできるととても嬉しいですよ!

納豆作りの概要

わらつと納豆
納豆は健康によい

納豆は、大豆を納豆菌で発酵して作ることはご存じのことと思います。

納豆は、蒸したりゆでたりした大豆に納豆菌を付着させ、適度な温湿度条件下で保温することで作る発酵食品の1つです。

戦前までの納豆作りは、製法や発酵の原理などが解明されておらず、運や勘に左右されていました。そのため、雑菌繁殖が起こることがあり、死者を出すような事故も発生することが多かったそうです。

現在では高度に条件を制御できるため、安定して製造されています。先人の努力の結晶ですが、本当にすごいことです。

日本で納豆が生まれた必然性

納豆誕生のきっかけ
俵に入れた茹で大豆が馬の体温で発酵したという説もあり(提供:イラストAC)

納豆によく似た発酵食品は主にアジアで確認されていますが、日本では、煮た大豆と藁(わら)が出会い、暖かい条件下で保温されることで偶然、納豆ができたと考えられます。

納豆の起源には諸説ありますが、基本的にはこのような現象がたまたま起きたことがすべての始まりです。しかし、これは偶然のように思えますが、日本人の生活史上では必然だったと考えられます。

その理由は以下のとおりです。

日本で大豆を栽培し、煮て食べることが一般的となった縄文時代後期以降、米栽培も始まったため、家の中に常に藁がありました。敷物や寝床に藁が使われており、家の中で料理も行なうため、暖かい環境も整っていました。そこへ、煮豆が藁の上に落ちて保温状態になった、もしくは、熱いままの煮豆を藁で包んで持ち運ぼうとしたところ藁の中にいる納豆菌により煮豆が発酵した、などの理由で納豆ができたと考えるのが自然です。つまり、偶然の産物のように思われますが、実は必然としか考えられないのです。

納豆作りに必要なものはこれだけ!

納豆菌
納豆菌は枯草菌の仲間

納豆を作るためには、納豆の原料(豆や納豆菌)と納豆を発酵させるための環境を整えるだけです。

納豆の原料

納豆は大豆を納豆菌で発酵させるため、大豆と納豆菌が必須です。現在では、納豆菌を購入できるため、大豆があれば納豆を作ることができます。

戦前までは、藁に生息している納豆菌を藁ごと利用して、納豆を製造していました。そのため、藁に生育する他の雑菌や納豆菌ではない枯草菌による発酵が起きて、安定して納豆ができない場合や食中毒事件が多発しました。

納豆菌発酵が起こる環境条件

納豆菌による発酵には、水分と温度が必要です。水分は、大豆を茹でたり蒸したりすることで適度に含まれますが、温度は25℃~45℃くらいでないとうまく発酵がすすみません。温度が低いほど、発酵時間がかかりますが、あまり高すぎると過発酵になるため、30~40℃くらいが最適でしょう。

熱湯消毒した藁で煮た大豆を包み、暖かい室内に保管しておけば、1~2日で納豆ができます。納豆菌は、100℃で30分間煮ても死なないので、雑菌を殺すために熱湯消毒した藁を使うことで一般的です。このひと手間で食中毒の危険性を下げることができることを昔の人は経験的に知っていたのでしょう。

初めての納豆作り

今回は初めての納豆作りだったため、まずは試験的にやってみようと考えました。そのため、出来るだけ失敗しなさそうな方法を選択。うまく行けば条件を更に検討する、失敗したら原因を見つけることを目的にして挑戦です!

今回用意した納豆の原料(食材)

今回は、基本のダイスだけでなく、ひよこ豆、赤いんげん豆、小豆も使用して納豆作りに挑戦しました。豆の種類で納豆の発酵がどう変わるのか楽しみです。なお、納豆の発酵には豆に含まれるビタミンやミネラル、糖類、たんぱく質の種類や量が大きく関係するため、水に溶けだすリスクが低いドライタイプの缶詰を使いました(ただし、小豆だけは入手できなかったため、水煮缶を使用)。

・大豆のドライパック缶

・ひよこ豆のドライパック缶

・赤いんげん豆のドライパック缶

・小豆の水煮缶

・市販納豆(よく粘るもの)

納豆作りに必要な道具

容器には、衛生的で使いやすいサイズのポリプロピレン製の密閉容器の器部分を使用します。乾燥を防ぎ、酸素を供給するために、穴を開けたラップで覆います。あとは発酵温度を保つための使い捨てカイロなどが必要です。

・やかんと小さじスプーン

・小鍋とステンレス製のザル

・熱湯(95℃以上)

・発酵容器用の密閉容器(フタは使用しない)

・覆い用のラップ

・穴あけ用のつまようじ

・保温用の発泡スチロール箱(大)

・保温用の貼らない使い捨てカイロ

・デジタル温度計(クッキング用)

・50℃程度の湯を入れたペットボトル2本

納豆作りの方法

納豆
納豆(提供:イラストAC)

納豆の原料の豆に市販納豆から回収した納豆菌を振りかけて、40~45℃くらいで保温することで納豆を作ることが可能です。今回挑戦した方法を紹介します。時間との闘いでもあるため、豆は1種類ごとに分けて処理しました。大豆が冷えると雑菌繁殖が起きる可能性があり、発酵がうまく行かない場合があるためです。

  1. やかんに2Lほど水を入れて沸騰させる。
  2. 容器に1のお湯とスプーンを入れて、熱湯殺菌する。
  3. 豆を小鍋に入れて2~3分間茹でる(豆に吸水させ、殺菌するため)。
  4. 納豆をスプーン小さじ1杯分、熱湯消毒した容器に移し、熱湯を10mLほどふりかけてスプーンでよく混ぜる(納豆菌の回収)。
  5. 鍋で茹でた豆をザルに移して水気を切り、4の納豆菌液を振りかけて納豆ごと容器へ戻す。
  6. スプーンでよく混ぜ、ラップをかける。
  7. 輪ゴムでラップを固定し、熱湯消毒したつまようじで穴をあける(10箇所ほど)。
  8. 暑いうちに、暑い場所(気温40℃以下)で、発泡スチロール箱に入れ、直接触れないように、50℃くらいのお湯が入ったペットボトルと使い捨てカイロを入れる。
  9. 1時間ごとに発泡スチロール箱内の温度を確認し、40℃~45℃くらいになるように、ペットボトルやカイロの置き場所や数を調整。なお、発泡スチロール箱のフタは少し開け、酸素供給と加熱しすぎないようにする。
  10. 夜はできるだけ暑い場所(気温30~38℃)で9のフタをわずかにずらして静置。
  11. 20時間後に匂いと粘りを確認し、弱ければさらに4時間ほど発酵させる。
  12. 20~24時間ほど発酵させたのち、冷蔵庫へ入れて静置する(熟成発酵のため)。
  13. 翌日に、冷蔵庫から出して発酵具合を確認する。
  14. 腐ったようなにおいやアンモニア臭が強すぎる場合は、廃棄すること。

豆の種類による納豆の出来栄えについて

手作り納豆
納豆試作品(左上は大豆、左下は赤いんげん豆、右上はひよこ豆、右下は小豆)

今回は4種類の豆を使って納豆作りに挑戦しましたが、やはり豆の種類によって発酵度合いが異なりました。それぞれの豆による納豆作りの結果を以下に示します。

大豆を使ったノーマルな納豆作りの結果

大豆を使った納豆試作品
大豆を使った納豆試作品

やはり、大豆を原料にすると、おいしい納豆ができました。安定の大豆ですね。

匂いも味もしっかり納豆で、安心しました。少し水分が多くなってしまいました。

いんげん豆を使った納豆試作結果

赤いんげん豆の納豆
赤いんげん豆の納豆

赤いんげん豆にもしっかり菌が繁殖しており、白っぽくなりました。ただ、ツンとするアンモニア臭が少しあったので、発酵時間が長かったのかもしれません。

ひよこ豆を使った納豆試作結果

ひよこ豆の納豆
ひよこ豆の納豆

ひよこ豆は豆自体が硬く、あまり発酵しませんでした。煮た際に柔らかくなった表面にはうっすらと白っぽい部分が増えており、多少の発酵は確認できました。

歯ごたえは多少弱くなり、わずかに納豆の風味がするため、これはこれで面白いかもしれません。納豆が苦手な人でも食べられそうです。

ただ、発酵が弱いということは雑菌が生えうる余地があるということなので、留意が必要でしょう。

水煮小豆を使った納豆試作

水煮小豆を使った納豆試作
水煮小豆を使った納豆試作

水煮小豆を使った納豆はかなりアンモニア臭く、食べると危険なレベルでした。これは、発酵のし過ぎが原因でしょう。

水煮した小豆は水分含量が多く柔らかいこと、割れがあるため納豆菌が入り込みやすくなったと考えられます。つまり、ドライパックを短時間だけ煮るよりも、「水煮にした豆の方が発酵原料としては秀逸である」ことが判明しました。

数個まではなんとか食べられますが、5ヶほどを一気に食べると、アンモニアのせいでかなりやばい状況になったので、発酵時間の調整が必須です。なお、アンモニア臭を除けば、かなり美味しく感じました。

納豆は豆の種類で大きく出来上がりが異なる

原料の豆発酵度合い匂い風味順位
大豆1
赤インゲン豆2
ひよこ豆3
小豆×4

赤インゲン豆は柔らかく、豆のコクがあるので、発酵時間を調整すれば、かなり美味しい納豆になるでしょう。

ひよこ豆のような硬い豆では納豆菌の豆内部への侵入が難しく、表面でしか発酵できないため、納豆には向いていと考えられます。ただ、かなり柔らかく茹でることができれば、変わり種納豆になるかもしれませんね。

小豆は、赤インゲン豆と同様に発酵時間を調整することで、ものすごく美味しい納豆になる可能性を秘めていると感じました。うまく発酵できれば、納豆の栄養だけでなく小豆ポリフェノールも摂れる「かなり健康を意識した納豆」になるでしょう。

最近は麴菌で小豆を発酵させるという健康を意識した発酵食品も人気ですよね。

納豆作りのポイント

大豆を使った手作り納豆
大豆を使った手作り納豆

今回の挑戦で、納豆の発酵時には多少の水分が生じるため、仕込む際にあまり豆が多いと底がベチョベチョになることが判明しました。

ただし、豆が乾燥すると発酵が進まないため、ある程度の湿度が必要となります。そこで、底敷きを工夫することが上手く発酵すすめるポイントといえるでしょう。

つまようじや竹串を熱湯消毒して、水気を切り、容器の底へ敷くのが楽だと思います。前面でなくても大丈夫です。空気が入りやすく、水気から少し離れる部分があれば、密着よりもかなりよい条件になるでしょう!

また、小豆や赤インゲン豆のように発酵しやすい豆の場合は、もっと短い時間で発酵を止める必要があるため、最適条件を検討する必要があります。発酵時間は、季節や温度でかなり変動が起きますが、目安時間を見つけることが重要なポイントです。

なお、発酵温度を一定にすることも大きなポイントであり、ヨーグルトメーカーなどの保温機能をもつものを使うのがよいでしょう。

納豆菌の発酵には酸素が必要であるため、容器は密閉せず、空気が少しでも入るようにすることも大きなポイントです。

ポイントのまとめ

  • 容器の底につまようじなどを敷いて水気との接触を減らし、空気が通りやすくする
  • 発酵温度の見極めが重要
  • 発酵温度を一定にするようにすると安定して製造できる
  • 酸素を供給するために、容器は密閉しないこと

自宅で手作り納豆に挑戦してみましょう!

発酵中の納豆
発酵中の納豆

初めての挑戦では、大豆では思い通りの美味しい納豆を作ることができました。しかし、赤インゲン豆や小豆では、少し再検討が必要でした。

自分の好きな豆で納豆を作ることができれば、更に納豆や豆が好きになるでしょう。豆類は、たんぱく質やビタミン、食物繊維、ポリフェノールなど、色々な健康維持に役立つ成分が含まれます。

納豆にすることで、さらに納豆の栄養や機能性成分を摂取できるので、ぜひ、自家製納豆作りに挑戦してみてください。

なお、納豆に期待される健康効果などについては、サイトマップをご覧ください。

納豆が健康維持に役立つ理由については、まとめ記事「【納豆のすごい効果のまとめ】健康維持に役立つ理由を徹底解説!」をご覧ください。

それでは、今年もよろしくお願いいたします。

納豆
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