【徹底解説】納豆を食べると『アレルギー低減』が期待できる理由!

  • 2023年1月3日
  • 2023年11月19日
  • 納豆

みなさんは、「納豆を食べるとアレルギーに効く」と聞いたことはありませんか?

実は、納豆を継続して食べることで、アレルギーの低減が期待できます

ただ、何もしないで納豆だけを食べるだけで劇的な効果は出ません。

出来るだけ花粉やほこりなどを吸いこまないようにマスク着用やこまめな掃除などの対策を行なうこと、規則正しい生活をすることが不可欠です。

本記事では、「納豆はなぜアレルギーに効果があるのか?」「納豆のどの成分がアレルギーにいいのか?」などについて徹底解説します。ぜひ参考してください。

関連記事『【納豆のすごい効果のまとめ】健康維持に役立つ理由を徹底解説!』もご覧ください

納豆の摂取でアレルギー予防が期待できる

納豆の摂取でアレルギー予防が期待できる
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千葉大学大学院医学研究院小児病態学の下条直樹教授らのコホート調査『妊娠中の母体の食事と生後6か月でのアトピー皮膚炎の関連』で、妊婦さんの食事内容とその子供の生後6か月でのアトピー性皮膚炎発症についての興味深い研究成果が発表されました。

1326組の母子を対象としたもので、『妊娠中の継続的な納豆摂取により日本人乳児のアトピー皮膚炎リスクが低減した』という報告です。

また、2014年にAllergology International. に掲載された小沢らの論文では、『妊娠中継続的な納豆摂取により日本人乳児の湿疹リスクが低減した(650組の母子で)』と報告されています。

納豆摂取がアトピー性皮膚炎発症予防に寄与する理由

以下の理由から、納豆摂取がアトピー性皮膚炎発症予防に寄与していると考えられます。

妊娠中に納豆を毎日食べた母親から生まれた子供では、生後6か月でのアトピー性皮膚炎の発症率が、毎日納豆を食べなかった場合に較べて約半分となり、統計学的に有意な差が認められた(p=0.028)。
一方、妊娠中にバターを毎日食べた母親から生まれた子供では、生後6か月でのアトピー性皮膚炎の発症率が、毎日バターを食べなかった場合に較べて約2倍となり、統計学的に有意に高かった(p=0.04)。
妊娠中にバターを毎日食べた母親から生まれた子供では生後6か月でのアトピー性皮膚炎の発症率が、妊娠中に納豆を毎日食べた母親から生まれた子供の約3.5倍になった。
乳児湿疹の発生率は、納豆を毎日摂取しているグループの方が週2〜3回以下の納豆摂取のグループよりも有意に低かった(p =0.020)。
妊娠中は、バターの摂取は出来るだけ控え、納豆を毎日食べたほうが良さそうです
不飽和脂肪酸が主であるバターを毎日食べた妊婦さんと抗酸化成分など様々な機能性成分を含む納豆を毎日食べた妊婦さんで、こんなに差異があるとは驚きを隠せません。
この研究では、納豆に含まれるどの成分が関与しているかの解明はなされませんでしたが、納豆を毎日食べることで妊婦さんの免疫バランスが整ったことによる結果だと考えられます。
参考資料
生後6か月でのアトピー性皮膚炎発症と妊娠中の食習慣の関連,下条直樹ら,第24回日本アレルギー学会春季臨床大会,2012年

Maternal Intake of Natto,a Japan’s Traditional Fermented Soybean Food,during Pregnancy and the Risk of Eczema in Japanese Babies. ,小澤ら, Allergology International.,2014;63:261-266

納豆摂取で花粉症の症状を緩和できる

「おかめ納豆」で知られるタカノフーズ株式会社では、様々な納豆菌の中から免疫増強効果が高い株を見つけて、アレルギーに効果がある納豆を販売しています。

通常の納豆菌の免疫増強効果の1.5倍の効果があるという『S-903納豆菌』は、ウイルス感染予防と抗アレルギー効果を有することが確認されました。

この機能性を有する成分は恐らく納豆のネバネバ成分ということです。

2012年に「免疫に対する機能性を高めた納豆及び抗アレルギー用組成物」という内容で特許を取得(特許番号第5090754号)しています。

参考資料
おかめ納豆サイエンスラボ スーパー納豆菌「S-903 納豆菌」

納豆に含まれるアレルギー低減効果のある成分は?

納豆には、免疫バランスを正常化する働きを持つ機能性成分がいくつか含まれています。

ここでは、それらについて解説します。

  1. レバン
    レバンは納豆のネバネバ成分の1つで、大きな分類としては「食物繊維」となります。
    フルクトースがたくさん連なったフラクタンという種類の「食物繊維」で、菊芋に含まれるイヌリンという成分の親戚です。
    倉敷芸術科科学大学の須見名誉教授によれば、レバンは免疫を増強させる力があり、弱った免疫を活性化することで免疫バランスを正常化します
    また、株式会社ミツカングループから『アレルギー抑制組成物』として特許出願(2005-076013)されているようです。
  2. ポリガンマグルタミン酸(γPGA)
    ポリガンマグルタミン酸も納豆のネバネバ成分の1つで、グルタミン酸というアミノ酸が長く連なってできています。
    倉敷芸術科科学大学の須見名誉教授によれば、このポリガンマグルタミン酸もレバンと同様に免疫を増強させる力があり、弱った免疫を活性化することで免疫バランスを正常化します
    ポリガンマグルタミン酸をアトピー性皮膚炎発症モデルマウスに経口投与すると免疫バランスが整い、アトピー性皮膚炎の症状が改善されたという論文も発表されています。
  3. 納豆菌
    実は、納豆菌の菌体自身が小腸のパイエル板という免疫の司令塔を刺激して免疫を活性化することが確認されています。
    加齢や疲れ、ストレスなどで落ち込んだ免疫力を回復するという意味合いでは、免疫バランスを正常に近づけていると考えられます。
参考文献
 Oral Administration of Poly-c-Glutamate Ameliorates Atopic Dermatitis in Nc/Nga Mice by Suppressing Th2-Biased Immune Response and Production of IL-17,ALee TY et al., J Invest Dermatol., 2014, Mar;134(3):704-11
なお、サーファーや漁師さんで、クラゲにたくさん刺されてしまった人でクラゲアレルギーになった方は、納豆にもアレルギーを発症するため、納豆食は慎重に試してください。
クラゲが持つポリガンマグルタミン酸に対するアレルギーですが、納豆にもこの物質が多く含まれるために交差反応として食物アレルギーが発症するそうです。

私が納豆を推す理由

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私が納豆を人に推す理由は『身体によい』だけでなく、『発酵食品であること』『食品として安全であること』『おいしいこと』『安いこと』です。

本記事でも、納豆の摂取でアレルギー低減効果が期待できることをお伝えしました。

これだけ人にやさしく、健康維持に役立つ食品は他に類を見ません

安心して食べることができて、健康維持にも役立ち、お財布にも優しいなんて、時代を超えて人々を幸せにする食べ物が納豆なのです!

そして、環境問題にも納豆は役立ちます。納豆菌には富栄養化した川や汚れた池をきれいにするという働きもあります。本当に人類を救うために生まれた菌なのかもしれませんね。

まとめ|納豆と規則正しい生活で免疫を正常化しよう!

まとめ|納豆と規則正しい生活で免疫を正常化しよう!
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https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=2309536

妊娠中は子供とご自身の健康のため、無理のない範囲で出来るだけ毎日、納豆を食べてください

なお、アレルゲンの吸入を減らすためにマスクをして、規則正しい生活で、きちんと3回の食事で栄養をとることも非常に重要です。

湿疹やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の改善が期待される納豆を継続的に食べることで、腸内環境も整います。ぜひ妊娠中の女性以外も毎日納豆を食べると良いでしょう

関連記事『女性必見!【納豆の腸内環境改善効果】美肌や腸活に役立つ機能性成分を徹底解説!』についての記事もご覧ください

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