納豆と聞くと、「健康によい」というイメージがわくと思います。それは、納豆には多くの機能性成分が含まれており、さまざまなメディアで健康効果が紹介されているからです。
みなさんは、納豆にどのような効果があるのかについてもっと詳しく知りたいと思いませんか?
たとえば、下記のように疑問に思うことがあるでしょう。
「どのようなアンチエイジング効果があるの?」
「なぜ腸内環境改善効果があるの?」
「免疫調節作用はどのような成分が働くの?」
本記事では「納豆による腸内環境改善効果」について徹底解説します。
納豆を女性におすすめする理由
納豆を食べると、特に女性にうれしい健康効果がいくつも得られます。納豆を食べて腸内環境が改善すると、腸の働きが正常化して消化吸収と便通が良くなるのです。
さらに消化吸収が良くなることで全身に栄養が行きわたりやすくなり、新陳代謝が良くなります。
納豆は、まさに腸活にもってこいの食べ物といえますね。
さらに納豆に豊富に含まれる大豆イソフラボンやビタミンB群の働きもプラスされ、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)も正常化します。つまり、皮膚のターンオーバーがうまく進まないことで起きる吹き出物やシミなどの肌トラブルを減らす効果が期待できるのです。
また、便通改善はデトックスやダイエットにもつながるため、毎日納豆を食べて腸活にいそしみましょう。
腸内環境改善効果をもつ納豆の機能性成分
納豆に豊富に含まれる腸内環境改善効果をもつ機能性成分には、食物繊維(水溶性および不溶性食物繊維の両方)、レバン、ビタミンK2などがあります。
食物繊維
納豆100g(約2パック)には水溶性食物繊維が2.3g、不溶性食物繊維が4.4g、合計6.7gも含まれており、食品の中でもかなり含有量が多いです。
通常の摂食量で考えると、押し麦やオートミールに次ぐ含有量となります。
水溶性食物繊維は腸内で善玉菌のエサになり、腸内環境の改善に欠かせません(プレバイオティクス効果)。
不溶性食物繊維は便をかさましして腸管を刺激することで、腸の蠕動運動を促進し、便の排出に大切な働きをします。
成人の食物繊維の一日の必要量は20g以上とされており、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合は1:1が推奨されています。
納豆にはレバンという水溶性食物繊維を多く含むため、理想の食物繊維バランスをもっているスーパーフードといえます。
レバン
腸内環境改善作用および免疫調整作用を示す食物繊維の一種です。
果糖(フルクトース)が数百から数千個も結合した多糖(フルクタンといいます)で、免疫活性化、整腸作用があります。ポリガンマグルタミン酸と共に納豆菌が生成するネバネバ成分の一つです。
らっきょうなどの野菜類にも含まれていますが、特に納豆菌が多く生成するため、納豆1パック40gを摂取することで十分な量を摂ることができます。
レバンやその分解物がヒトの培養細胞(Caco-2細胞、小腸上皮細胞に似た性質を示す)へのブドウ糖の取り込みを抑制することから、糖尿病の改善効果も期待されています。
ビタミンK2
実は、ビタミンK2を多く摂取する人は腸内細菌の中で最も善玉菌であるといわれるビフィズス菌の割合を増やすことが確認されています。
つまり、ビタミンK2を多く含む納豆を日常的に食べている人では、ビフィズス菌が多い腸内細菌叢になるということです。
まとめ|納豆を毎日食べて腸内環境を改善しよう!
納豆を毎日食べることで、腸内環境を改善することができます。
- 寺田先生たちの研究グループの報告では、納豆を1日に50gずつ食べ続けたところ、1週間で糞便に含まれるビフィズス菌の割合が15%から36%に増加したとのことです。納豆を食べることで腸内細菌叢がよい方向へ変化することが確認できたのです。
- 納豆に含まれる食物繊維やビタミンK2、レバンなどの機能性成分は、腸内でプレバイオティクス効果を示し、腸内環境を改善します。
- 納豆菌が腸内で発芽し腸内に一定期間とどまりビタミン類などを生産することでプロバイオティクス効果も得られます。
腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)とは、腸内に住む微生物の種類とそれらの構成のことであり、その構成する菌の種類や割合によって腸内環境が大きく変わります。
プレバイオティクスとは、善玉菌のエサとなることで間接的に腸内環境を改善する成分のことです。
プロバイオティクスとは、生きた菌を摂取したときに腸内で生き残り、アミノ酸やビタミン類などの有益な物質を作り出すことで腸内環境を改善する菌のことです。
毎日納豆を食べることで腸内環境を改善し、便通改善、美肌、ダイエットを目指しましょう。
本記事が健康に不安を感じる方の参考となり、納豆を食べる習慣をつけてくだされば幸いです。
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関連記事『【女性におすすめ】納豆を毎日食べる健康効果は?栄養や機能性など徹底解説!』
Probioticとしての納豆菌の作用,細井ら,醸協,2003,98(12),830-839
日本食品標準成分表2020年版(八訂),厚生労働省
納豆摂取がヒト腸内フローラおよび腐敗産物に及ぼす影響,寺田厚ら,日本食品微生物学会雑誌,1999,16(4),221-230