みなさんは、納豆について下記のように疑問に思うことがあるでしょう。
「納豆ってどうしてこんなに種類があるんだろう?」
「何を買うのが良いのだろう?」
「粒の大きさの違いで何が変わるのだろう?」
私も、色々種類が多すぎてどれを買おうか悩むことがあります。
そこで、『大粒』『小粒』『ひきわり』など粒の大きさが異なる納豆について調査しましたので、ご覧ください。
その結果、『丸大豆納豆』と『ひきわり納豆』では大きく差がある栄養成分があることが判明しました。
なお、本記事は仕事とプライベートで納豆の健康効果を実感し、機能性成分などにも詳しい元バイオ研究者である運営者の私が調査を行ないまとめました。
ぜひ記事をご覧いただき、納豆を購入する際の参考にしてください
納豆の『大粒』『小粒』『ひきわり』の区分は?
納豆の『大粒』『小粒』『ひきわり』の区分は納豆の原料である大豆の大きさで区分されます。
大豆の大きさは細分化されており、『極大粒』『大粒』『中粒』『小粒』『極小粒』『超極小粒』に分類することができます(なお、大豆の規格としては『大粒』『中粒』『小粒』『極小粒』の4種となります)。
実は、各納豆メーカー独自の目安サイズがあるだけで、厳密にその大きさの大豆を使っているわけではありません。メーカーによってびっくりするほど大きさは違います。
大豆とひきわり納豆の大きさと特徴については下記の表をご覧ください。
分類 | 豆の大きさ | 納豆の特徴 |
極大粒 | 8.5mm以上 | 単位体積当たりの表面積が少なく特に発酵しにくい 豆の風味が強い |
大粒 | 7.9mm | 単位体積当たりの表面積が少なく発酵しにくい |
中粒 | 7.3mm | 普通に発酵する |
小粒 | 5.5mm | 良く発酵する |
極小粒 | 4.9mm | 単位体積当たりの表面積が広く良く発酵する 発酵の風味が強い |
ひきわり | 2~4mm程度 | 大豆の皮がなく柔らかい 特に良く発酵し発酵の風味がつよい |
参考:農林水産省ホームページ『だいず粒の大きさについて』
原料大豆の大きさによる納豆の栄養成分の違い
納豆の栄養成分については、文部科学省の『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』で記載されているのは、糸引き納豆(普通に売られている納豆のことを指します)としては『丸大豆納豆』『ひきわり納豆』の2種類だけでした。
大粒も中粒も小粒の区分はなく、丸ごとの大豆を使った『丸大豆納豆』または4〜16ヶに挽き割った大豆を使った『ひきわり納豆』だけとなりますので、この2つのデータを比較しました。
下記が日本食品標準成分表2020年版(八訂)から抜粋したデータです。
栄養素 | ミネラル | ビタミン | |||||||||||||||||||||||||
種類 | カロリー | 水分 | タンパク | 脂質 | 食物繊維 | 炭水化物 | K | Ca | Mg | P | Fe | Zn | Cu | Se | Mo | α トコ | β トコ | γ トコ | δ トコ | 総E | K | B1 | B2 | B6 | 葉酸 | パ酸 | H |
丸大豆納豆 | 190 | 60 | 17 | 10 | 6.7 | 12 | 660 | 90 | 100 | 190 | 3.3 | 1.9 | 0.6 | 16 | 290 | 0.5 | 0.2 | 5.9 | 3.3 | 9.9 | 600 | 0.1 | 0.6 | 0.2 | 120 | 3.6 | 18 |
ひきわり納豆 | 185 | 61 | 17 | 10 | 5.9 | 11 | 700 | 59 | 88 | 250 | 2.6 | 1.3 | 0.4 | – | – | 0.8 | 0.3 | 9 | 5.4 | 16 | 930 | 0.1 | 0.4 | 0.3 | 110 | 4.3 | – |
注)上記表に記載の略字および単位など
- 食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の合計値(単位はg)。
- 栄養素の単位はgである(カロリーのみKcal)。
- α~δトコとはα・β・γ・δトコフェロールを、総Eとはこれら4つのトコフェロールを合算した値を指す(単位はmg)。
- ミネラルの単位はmgである。
- ビタミンの単位はmgであるが、ビタミンKとビタミンH(ビオチン)はμgである。
- パ酸はパントテン酸の略である。
『丸大豆納豆』で多い栄養素は?
可食部100gあたりの「エネルギー」「水分」「タンパク質」「炭水化物」は『丸大豆納豆』でも『ひきわり納豆』でも、ほとんど同じです。
『丸大豆納豆』で『ひきわり納豆』よりも10%以上多く含まれる栄養素(『ひきわり納豆』で少ないもの)は、「食物繊維(+12%)」「ミネラル分(リン以外)」「ビタミンB2(+33%)」でした。
これは、大豆をひきわり皮を除去することで大豆内部の水溶性食物繊維が流出しやすくなり、皮の不溶性食物繊維が減少したことが原因だと考えられます。
『ひきわり納豆』で多い栄養素は?
『ひきわり納豆』で、『丸大豆納豆』より10%以上多い栄養素は「ビタミンK(+56%)」「総ビタミンE(+62%)」「ビタミンB6(+50%)」「パントテン酸(+19%)」となります。
このうち、「ビタミンK」は納豆菌が発酵で作り出すため、丸大豆よりもひきわり大豆の方が発酵しやすいことが分かります。
なお、「セレン」「モリブデン」「ビタミンH(ビオチン)」は未測定のため詳細は不明ですが、「セレン」「モリブデン」は納豆菌が発酵で作り出すため、同等か同等以上だと考えて良いでしょう。
『ひきわり納豆』と『丸大豆納豆』の違いは?
上記の通り、『ひきわり納豆』と『丸大豆納豆』では、含まれる栄養成分が異なることが分かりました。
では、何がこの違いを生むのでしょうか?
実は、表面積と皮に有無が違うのです。
単純な形状である丸大豆にくらべて、ひきわり大豆は複雑な断面が形成されるため表面積が増加します。
また、丸大豆は皮が付いたままなので納豆菌による発酵を受けにくいですが、ひきわり大豆だと皮がなく納豆菌が付着しやすく発酵されやすいのです。
その結果、納豆菌の発酵により作り出される「ビタミンK2(ビタミンKの1種)」が『ひきわり納豆』に多く含まれることになります。
納豆菌の発酵ってすごいですね。
『大粒』『小粒』『ひきわり』納豆選びのポイント
上記した通り、豆が大きいほど発酵しにくく、粒が小さいほど発酵しやすくなります。
そのため、大豆の風味を味わいたいなら『大粒納豆』を選びましょう。
食べやすさなら『ひきわり納豆』を、大豆の風味と発酵した納豆の風味の両方を味わいたいなら『極小粒納豆』を選ぶと良いでしょう。
ただ、大豆の品種(黄大豆以外にも青大豆、赤大豆、黒大豆なども使われる)や納豆メーカーによって製造方法が異なるため、自分の好みの一品を探すのをおすすめします。
『大粒納豆』では発酵を助けるため、じっくり吸水と蒸煮を行ないます。また、発酵や熟成の時間を長くするため、ふっくらして豆の風味が強くなる傾向があります(黄大豆の場合)。豆の色づきも強めです。
『小粒または極小粒納豆』ではしっかりと発酵が進むため、発酵臭や苦み、色づきが強くなり、納豆本来の風味と豆の歯ごたえや風味の両方を堪能できます。
『ひきわり納豆』では発酵が進みすぎるのを防ぐため、発酵や熟成時間が短めとなり、あまり苦みや色づきがない納豆が多いです。
そのため、発酵による機能性成分を多く含んでおり、かつ食べやすい納豆と言えます。
また、ひきわりの時に皮が除去されていて細かく砕かれているので柔らかく、子供や高齢者も安心して食べられる納豆です。
子供や高齢者には、ひきわり納豆をおすすめします!
まとめ|自分好みの納豆を見つける楽しさを!
納豆には色々な種類がありますよね。
とくに最近は、タレに特色を持たせた納豆が多く、どんな味がするのか興味しんしんです。
納豆は健康維持に非常に役立つ機能性成分を豊富に含むので、ぜひとも毎日食べていただきたい副食となります。
食感や風味など自分にあった納豆を探すためにも、毎日納豆生活を始めてみてはいかがでしょうか?
私も週に1回は新しい納豆を購入して、納豆チャレンジを楽しんでいます。
楽しいですよ!
なお、下記の納豆の健康効果や機能性などについての記事もぜひご覧ください。
きっとあなたも納豆生活を始めたいと思うはずです。
関連記事『【納豆のすごい効果のまとめ】健康維持に役立つ理由を徹底解説!』
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