納豆の健康成分『ナットウキナーゼ』の秘密を徹底解説!実は熱に弱かった・・・

  • 2022年1月16日
  • 2024年6月1日
  • 納豆

みなさんは納豆の独自成分であるナットウキナーゼをご存じでしょうか?

実は、納豆にはたくさんの健康成分が含まれていますが、納豆にしか含まれない独自成分が多くあるのです

それぞれの健康成分が持つ機能性について詳細にお伝えしていきますが、たくさんあるので、複数回に分けて解説します。

本記事は、納豆独自の健康成分である『ナットウキナーゼ』についての詳細に解説するので、ぜひ参考にしてください。

健康を維持するために毎日納豆を食べることをおすすめします!

納豆の健康効果についてのまとめ記事『【納豆のすごい効果のまとめ】健康維持に役立つ理由を徹底解説!』もぜひご覧ください

納豆に含まれる栄養・健康成分について

納豆には様々な栄養成分や健康成分が豊富に含まれています。

そのため、納豆を毎日食べることは健康維持に役立つのです。

納豆に含まれる栄養・健康成分を紹介します。

納豆独自成分ナットウキナーゼ、ポリガンマグルタミン酸、レバン

納豆にも豊富に
含まれる健康成分

ポリアミン、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、ビタミンK2、レシチン、コリン、大豆イソフラボン、

サポニン

豊富に含まれる栄養成分Se、K、Mg、Mo、Zn、大豆ペプチド、ビタミンB2などのビタミンB群

ナットウキナーゼ(NK)は納豆の独自成分のひとつ

ナットウキナーゼは熱に弱い
「60℃より高温になるとナットウキナーゼは活性を失い、フィブリンを溶かすことができなくなる実験結果」の模式図

倉敷芸術科学大学の須見教授が発見した成分で、血栓を溶かす酵素です。体内での血栓を溶かすシステムのことを線溶系といいますが、「ナットウキナーゼ」にはこの線溶系をサポートする働きがあります。

なお、出血を止めるシステムを凝固系といいます。

ナットウキナーゼは線溶系をサポート

線溶系には、ナットウキナーゼのほかにプラスミンという酵素も存在します。ティッシュプラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)やプロ-ウロキナーゼ(Pro-UK)という酵素によりプラスミノーゲンから変換されて出来るプラスミンの活性よりもナットウキナーゼの活性の方がかなり高いことが分かっています。

線溶系の酵素は、加齢とともに合成が減少するため、食べても効果が期待できる納豆由来のナットウキナーゼを食事で補給することは心筋梗塞や脳梗塞などの血栓疾患の予防に非常に役立ちます。

ナットウキナーゼの効果は12時間も続く!

心筋梗塞の治療では、ウロキナーゼという酵素を血中に注入しますが、この酵素は長くて30分程度しか効果が現れませんが、ナットウキナーゼを経口摂取した場合だと長い人は12時間程度効果が持続します(納豆そのものを摂取した場合も同じ)。

高価な薬に頼らなくても、日々の納豆生活で予防できるのであれば、こんなに素晴らしいことはありません。

血栓疾患は夜中の3時頃に発症することが多いため、夕食に納豆を1パック摂取すれば朝まで効果が持続すると考えられます

ナットウキナーゼは70℃で効果がなくなる

血栓溶解作用を持つナットウキナーゼはタンパク質でできているため、熱には弱いです。

70℃で10分間加熱すると機能が失われてしまいます。

そのため、血栓予防効果を期待して納豆を食べる場合には、熱い味噌汁やごはんに混ぜるのではなく、出来るだけ加熱しない状態で食べることが必須です!

健康食品のナットウキナーゼについて

なお、ナットウキナーゼは健康食品にもなっていますが、これは基本的にはビタミンK2を除去する目的で粗精製が行なわれています(ただし、そうでない商品もあります)。
何故、ビタミンK2を除去する必要があるかといいますと、ビタミンK2は最初に説明した凝固系を活性化するからです。

血液をサラサラにして血栓ができないようにするワーファリンという薬はビタミンK2が関与する凝固系の働きを抑えることで血栓の形成を抑制するため、ビタミンKを含む食品を食べると薬の効果が弱まってしまいます。

これを防ぐため、健康食品のナットウキナーゼはビタミンK2の分離処理や除去精製処理等を行なって製造されるので、納豆のもつ栄養成分や健康効果は低下します。

ワーファリンなどのビタミンK2が関与する血栓予防薬を使っていない人は、安くて身体に良いので、市販の糸引き納豆からのナットウキナーゼ摂取がおすすめです。


参考資料
・ナットウキナーゼの機能性研究の動向について, 須見, FOODSTYLE21, Vol.10, No.10, P.55-59, 2006
・納豆は効く(須見洋行著)
・納豆菌が持つ特殊酵素「ナットウキナーゼ」その力価と特徴, 須見ら, 醸協, 第106巻, 第1号, P.28-32, 2011

ナットウキナーゼ摂取の注意点

納豆に含まれる血栓溶解作用を示すナットウキナーゼは熱には弱いため、出来るだけ加熱しないようにして食べましょう

70℃で10分加熱されるとナットキナーゼは熱変性して機能を失いますので、加熱しないように気を付けましょう!熱いご飯と混ぜたり、熱い味噌汁に入れるのはご法度です!!
納豆を夕食で摂ることで、血栓溶解作用のあるナットウキナーゼを十分量摂取できます。また、ナットウキナーゼは経口摂取後、12時間程度効果が継続するため、朝方に発生しやすい血栓疾患を予防することが期待できます。

ワーファリンを服用していない人は、納豆そのものを食べることで、ビタミンK2を含めた全ての有用成分を摂取できますので、健康食品ではなく是非とも納豆そのものを食べることをお勧めします。その方が安くて身体に良いので!

なお、最近ではワーファリン以外の血栓溶解薬を処方してくれますので、かかりつけのお医者様に相談してくださいね。

血栓疾患の発症予防には、是非とも納豆を夕食で1パック食べるようにして下さい。

ワーファリンを服用中の方は食べるのを控えてください(薬の効果が低下する可能性があるため)。
また、マリンスポーツをされている方でクラゲに多く刺されている人はガンマポリグルタミン酸(γ-PGA)アレルギーを発症している可能性がありますので、交差反応で納豆にもアレルギー症状が現れることがあります。納豆を食べて数時間後に蕁麻疹やかゆみが出る方は、病院で診察を受けましょう!

まとめ|納豆に含まれるナットウキナーゼはすごい!

納豆にたくさん含まれる健康成分のうち、ナットウキナーゼについて解説ました。

ナットウキナーゼは納豆の独自成分で、納豆からしか摂取できません

血栓症予防に期待して夕食時に1パックの納豆を食べるという食習慣を、ぜひともおすすめしたいです。

みなさんも今日から毎日納豆を食べましょう!

関連記事『【納豆人甚Gene】人にやさしく身体によい納豆を食べて健康寿命をのばしましょう!』もぜひご覧ください。

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