納豆には食物繊維が1パック(40g)あたり3g程度ふくまれるため、大人にとっては良い食物繊維のちょい足し食品になります。
しかし、子どもは好き嫌いや野菜不足になりやすいため納豆だけでは不足分を補いきれず、便秘症に悩む子どもが増えているようです。
子どもが便秘症で苦しんでいると親は本当に心配になりますよね。
私の子どもも急に便秘になり、子ども専門の便秘症外来に数か月通い、なんとか完治した経験があります。
本当に可哀想で早くなんとかしたいと気をもみました・・・。
そこで、腸内環境を整えるために、「納豆」に加えておすすめしたい食品が「オリゴ糖」です。
本記事では、なぜ「納豆」と「オリゴ糖」を摂取することで腸内環境が整うのかについて徹底解説します。
もし、あなたやお子様が便秘症に悩んでいるのでしたら、ぜひ参考にしてください。
なお、納豆の健康効果についてのまとめ記事は以下の関連記事をご覧ください。
関連記事『【納豆のすごい効果のまとめ】健康維持に役立つ理由を徹底解説!』
便秘と便秘症の違いについて
便秘は単に排便回数が少ない状態のことを指します。1週間に1回の排便しかなくても、便秘症の症状がなければ便秘であっても問題はありません。
つまり、便秘を治療する必要はないのです。
しかし、便秘があり下記に挙げるような症状がある時は『便秘症』であると考えられるため、治療が必要となります。
便秘症の特徴的な症状
- 排便困難
- 排便時出血
- 排便時痛
- 便もれ
- 便が出ないための食欲不振や腹満、嘔吐
自分やお子様がどのような状態であるのかを見極めましょう。
引用:青山こどもクリニック『小児便秘症』
便秘による症状は、排便困難、排便時出血、排便時痛、便もれ、又は便が出ないための食欲不振、腹満、嘔吐などです。このような症状がある場合は ‘自分の体質だから仕方が無い’ と諦めることなく、外来を受診して下さい。早めの対応をすれば快適になる事が多いものです。一般的には1週間に2回以下の排便の場合は、少し注意を要します。
なぜ子どもに便秘症が多いのか?
私の子どもが通っていた上記の「青山こどもクリニック」には、日本でも数少ない『子ども専門の便秘症外来』があり、多くの患者さんが診察を受けに来ていました。現在、365日診療になっているようです。
診察時に、幼児に便秘症が多い理由を院長先生の青山氏に教えて頂きました。
青山先生に教えて頂いた内容
- 幼児は離乳食に変わる時期などに排便習慣が乱れることで便秘になりやすい。
- おむつ時代には自然に排便できていたが、トイレトレーニングを始めたことでパンツ着用となり排便習慣が乱れ、便秘になりやすくなる。
- 便秘になり便がかたくなると排便時に肛門が切れ、痛みがトラウマになる。
- 痛くて排便したくないというトラウマのため、排便したくてもできない状態になる。
- 苦しくて食欲もなくなり、お腹が痛くて泣いたり不機嫌になったりしてしまう。
乳幼児期に便秘症になる原因を考察
母乳はオリゴ糖を多く含む栄養豊富な食料であり腸内環境も整うのですが、その性質上、離乳食には繊維質やオリゴ糖が少ないため腸内環境を悪化させる原因となるのでしょう。
母乳だけを飲むことで腸内環境が整う理由は、母乳に含まれるオリゴ糖や乳糖が大腸に棲息するビフィズス菌や乳酸菌のエサとなり善玉菌優位の腸内フローラになるためです。
これが、離乳食に完全に置き換わってしまうと、繊維質や食物繊維が不足するため、腸内フローラが乱れやすくなり腸内環境が悪化し、便秘を引き起こすのだと考えられます。
幼児期以降の子供の便秘症の原因
なお、子どもに便秘症が多い理由※は下記のとおりです。
- 幼児のトイレトレーニングの時期
- 学童の通学の開始および学校での排便回避など
どうしても公共の場、授業などの都合で我慢することが増えるため、排便週間が乱れて便秘を引き起こし、便秘症につながるのでしょうね。
また、トイレトレーニングでおむつからパンツになり、思うがままに排泄しにくい状態もストレスになりますよね。
※引用 青山こどもクリニック『小児便秘症』
食物繊維の「納豆に含まれる量」と「1日の摂取基準」
日本人の食事摂取基準(2020年版)によりますと、食物繊維の1日の摂取基準は18歳以上の男性では21g以上、女性では18g以上が目安とされてます。
また、子どもでは、男女ともに3〜5歳では8g以上、6〜7歳では10g以上、8〜9歳では11g以上、10〜11歳では13g以上が目安です。
日本人の大人では1日に4〜5g程度の食物繊維が不足しているため、納豆1パック(40g)で2.7gを摂取できれば不足分をかなり補うことができます。
子どもの不足量は言及されていませんが、食生活により大きく異なるため、お子様の食事内容を考慮したうえでどのように補給するかを考えましょう。
納豆の食物繊維については、関連記事『納豆に含まれる【食物繊維】の種類と健康効果を徹底解説!』をご覧ください。
なぜ食物繊維によって腸内環境改善が期待できるのか?
食物繊維は、『大腸に棲む善玉菌のエサになり善玉菌を増やす働き』と『水を吸って便のかさましとなり大腸の蠕動運動を助ける働き』により、腸内環境を改善します。
食物繊維とは?
食物繊維とは、食べ物の中に含まれる「人の消化酵素で消化することのできない成分」をさします。整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目される機能性成分の1種です。
厚生労働省 e-ヘルスネット 「食物繊維」
食物繊維は、水に溶けるかどうかで「水溶性食物繊維」「不溶性食物繊維」の2種類に分けられます。
それぞれの働きは下記のとおりです。
水溶性食物繊維の働き
水溶性食物繊維は善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌のエサとなり、腸内で善玉菌の増殖を促進して腸内環境改善に寄与します。
例えば、「オリゴ糖」「フコイダン」「イヌリン」や納豆の「レバン」などです。
不溶性食物繊維の働き
不溶性食物繊維は水を吸って体積が増すため便のかさ増し効果があり、腸管を刺激し腸の蠕動運動を促進するため便通改善効果が期待されます。
便の滞留時間を短くするため大腸内で悪玉菌の増殖を抑制し、腸内環境が改善するのです。
例えば、「セルロース」「リグニン」などが該当しますが、納豆ではセルロースが主となります。
食物繊維を豊富に含む食材
「穀物」「いも類」「豆類」「種実類」「野菜」「果物」「キノコ」「藻類」には多くの食物繊維が含まれます。
具体的には下記の食材が豊富に食物繊維を含んでいます。
- 穀物では、大麦(押麦)やえんばく(オートミール)
- いも類では、さつまいもやさといも、ながいもなど
- 豆類では、あずきや大豆、えんどうまめなど
- 種実類では、あまにやえごま、ごま、落花生など
- 野菜では、エシャロットやシソの葉、ほうれん草、ごぼうなど
- 果物では、きんかんや干し柿、キウイなど
- キノコでは、きくらげやしいたけなど
- 藻類では、のりや昆布、わかめ、ひじきなど
これらの中でも、食事で摂取できる量をもとに摂取効率が良い食材と考えられるものは「大麦」「えんばく」「あずき」「大豆」「ほうれん草」「干し柿」「しいたけ」です。
「種実類」「藻類」は食品の中でも非常に多くの食物繊維を含みますが、量的に多く食べることはありません。
オリゴ糖をおすすめする理由
食物繊維が豊富に含まれる「大麦」「えんばく」は、なかなかそれだけを食べることは困難です。
特に「えんばく」はオートミールで有名ですが、風味がなかなか子どもや高齢者にはなじみにくいでしょう。
しかし、それだけでは食物繊維量として不足するため、上記の食材を使ったおかずを加える必要があります。
ただ、子どもや歯が悪い高齢者には野菜や豆類が好かれないこともあるため、やはり手軽に食物繊維を補給できる食品を用意することが大事です。
「納豆」はお子様からお年寄りまで食べられる万能の食物繊維補給食品ですが、それでも食事内容によっては食物繊維量が不足することはあるでしょう。
そこで私がおすすめしたいのは、「オリゴ糖」です。
「オリゴ糖」は必要な時に、必要量だけ料理やデザートに添加するだけで食物繊維のちょい足しになるため、非常に便利だからおすすめします。
「オリゴ糖」には液体状のものや乾燥させて粉状にしたものがあり、使う用途により選択すれば良いと思います。
料理に使う場合は、粉状の方が使いやすいでしょう。
オリゴ糖とは?
オリゴ糖は難消化性の水溶性食物繊維の1種であり、食物繊維の中で一番サイズが小さい種類のものになります。
イメージとしては、単糖が数個連なっている難消化性の糖がオリゴ糖で、単糖が数百〜数万個連なっているものが食物繊維と考えてください。
市販のオリゴ糖には、「ガラクトオリゴ糖」「フラクトオリゴ糖」「イソマルトオリゴ糖」などのいくつかの種類があります。
なお、オリゴ糖は『大腸内の善玉菌を増やして腸内環境を改善する効果』をうたい、特定保健用食品(トクホ)として認められている製品が多いです。
母乳にも含まれる「ガラクトオリゴ糖」は赤ちゃんの大腸に棲むビフィズス菌を増やす働きがあり、乳児用のミルクに添加されている場合もあります。
フラクトオリゴ酸は大腸内の善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)のエサとなり善玉菌を増殖させる働きがありますが、全ての「オリゴ糖」はプレバイオティクス※といえます。
厚生労働省 e-ヘルスネット 『腸内細菌と健康』
まとめ|納豆+オリゴ糖で腸内環境を整えましょう!
納豆には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれます。
しかし、特に幼児から小学生くらいまでの子どもは好き嫌いや苦手な食材などの影響もあり食物繊維不足になりやすく、「納豆」に加えてもう1つの補給路が必要です。
そこで、「オリゴ糖」を料理に使うことをおすすめします。
夕食後のデザートとして、オリゴ糖をヨーグルトにかけて食べることもおすすめです。
なお、使用量は個人差があるため、様子を見ながら決めていきましょう!
まずは、食物繊維が豊富である納豆をぜひ毎日夕食に1パックを食べるようにしましょう。
アレルギーの改善などの多くの健康効果をもち、栄養補給に役立つ納豆を継続して食べることは健康維持に欠かせません。
納豆が苦手な場合には、おやつとして食べることもできますので、試してみてくださいね。
納豆おやつについては、以下の関連記事をご覧ください。
関連記事『【納豆おすすめレシピ】健康効果を活かしたおやつを紹介!』
本記事は、子どもに多い便秘症の対策として「納豆と共にオリゴ糖を与えることで腸内環境を改善させる」ことを提案しました。
お子様やご自身、ご家族が便秘症で悩んでいる方にもぜひおすすめします。
便秘症で苦しむ子ども、痛くてつらい摘便をさせる子ども、気持ちが悪く腹痛になる浣腸をされる子ども、下剤を飲まされる子どもを減らすためにも、ぜひ実践いただければ幸いです。
現在、私の子どもは6歳になりましたが、毎日の納豆食のおかげで便秘知らずです。
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