みなさんは、なぜ納豆にビタミンK2が多く含まれるのかをご存じでしょうか?
それは、納豆菌が大豆を発酵して納豆ができるときに、納豆菌が作るためです。
ビタミンK2は様々な健康効果があるため、ビタミンK2は納豆菌が作り出す素晴らしい贈り物といえます。
本記事では、納豆に含まれるビタミンK2の健康効果について新たな知見についても追記して徹底解説しますので、
ぜひ参考にして、健康維持のために納豆食を始めてくださいね。
納豆以外にビタミンKを多く含む食品は?
![ビタミンKを含む食品とは? ビタミンKを含む食品とは?](https://natto-daisuki.com/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
「納豆」以外でビタミンKが多く含まれる食品と言えば、「クロレラ」「のり」「わかめ」「しそ」「ほうれん草」「モロヘイヤ」「皮付き鶏肉」などが良く知られています。
しかし、食事として食べる量や旬の時期などから考えると、1年を通じて安定的な摂取源としては難しいのが現実です。
一方、納豆には1パック(40g)当たりに240μgも含まれ、1年を通じて安定的かつ効率的に摂取できます。
これが、納豆をおすすめする理由のひとつです!
また、納豆は安くてその他の健康成分を摂取できるため、とても素晴らしい食品といえます。
ビタミンKには種類があり健康効果に差がある
ビタミンKには、主に下記の種類があります。なお、ビタミンK2には同族体(メナキノン-4~14)が存在します。
一般的にビタミンKといわれるものは、機能的に有益である「フィロキノン」「メナキノン-4」「メナキノン-7」の3種を指します。
ビタミンK1(フィロキノン)
野菜や海藻類、植物油に含まれるビタミンKはビタミンK1(フィロキノン)です。
天然型ビタミンKと呼ばれ、植物の細胞内にある葉緑体で作られます。
体内でメナキノン-4に代謝されることで薬理効果を示しますが、吸収効率や変換効率が悪く、ヒトでは有効性が低いビタミンKとなります。
ビタミンK2(メナキノン-4、MK-4)
「食肉」「乳」「卵」などの動物性食品にはビタミンK2のうち、メナキノン-4が含まれます。
動物性食品にメナキノン-4が含まれる理由は、人工飼料に含まれるビタミンK3が変換されるからです。
ビタミンK2(メナキノン-7、MK-7)
基本的に菌が作り出すビタミンKとなります。
メナキノン-7は新生児期を過ぎたヒトの腸内で腸内細菌によって合成されるビタミンK2です。ただ、それだけでは量的に不足するため、食物から摂取することが必要になります。
納豆に含まれるビタミンK2はメナキノン-7が主になりますが、メナキノン-4~8までの同族体も多少含まれます。
ビタミンK3(メナジオン)
化学合成で作られたビタミンKですが、ヒトでは中毒性があるため、食品や医薬品として使用されません。
ただし、鳥類と哺乳動物では代謝によりメナキノン-4に変換されるため、動物飼料用のビタミンK添加剤として使われています。
ビタミンKの体内での働き
ビタミンKは正常な血液凝固に必須なビタミンとして発見されました。その後、以下のような様々な生理作用が確認されています。
- 肝臓において、血液凝固因子を活性化し、血液凝固を促進する。
- 骨に存在するオステオカルシンを活性化し、骨形成を調整する。
- 動脈の石灰化を抑制する。
- ビフィズス菌を増やす整腸作用がある。
- 発がん抑制への関与や抗炎症作用などについての研究報告もある。
- マクロファージからの炎症に関与する成分の分泌を減らし、動脈硬化を抑制する可能性がある(今回の追記)。
納豆のビタミンK2の健康効果について
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納豆に豊富に含まれるビタミンK2の健康効果は下記が知られています。
- 新生児メレナおよび突発性乳児ビタミンK欠乏出血症の予防
- 骨折および骨粗しょう症予防
- 整腸作用
また、2023年に筑波大学の平松先生が発表した論文では、モデル実験において動脈硬化の抑制に働くことが確認されています。
納豆による動脈硬化の抑制効果とそのメカニズム
以前から、納豆が血管の石灰化予防効果や抗炎症効果を示すことが確認されていましたが、そのメカニズムは不明でした。
しかし、2023年に筑波大学の平松祐司教授が、大手納豆メーカーであるタカノフーズとの共同研究で、ついにその謎を解明したのです。
実験では、動脈硬化の進行に大きく関与する免疫細胞であるマクロファージにビタミンK2の含有量が異なる納豆を添加し、マクロファージが産生する物質の量を調べました。
その結果、ビタミンK2を多く含む納豆を加えたマクロファージでは、炎症を引き起こす物質や炎症細胞を引き寄せる物質の産生が顕著に低下しました。また、炎症を抑える働きのあるインターロイキン-10(IL-10)の産生も増加。
なお、ビタミンK2の含有量が少ない納豆を加えたマクロファージでもIL-10の産生が高まりました。
これにより納豆を食べることで動脈硬化を抑制できる可能性が示されたのです。
新生児メレナ/突発性乳児ビタミンK欠乏出血症の予防
胎児やミルクを飲み始めた新生児の腸にはまだビタミンK2を作る腸内細菌は少ないため、ビタミンK欠乏症(新生児メレナ)になりやすいことが知られています。
また、ビタミンK欠乏症により、数か月以内に頭蓋内出血が発生して死亡する新生児もいます(突発性乳児ビタミンK欠乏症)。
このような症状を予防するために出産前後のビタミンKシロップの投与が始まりましたが、リスクを出来るだけ回避するために納豆を食べることをおすすめします。
納豆1パック(40g)で0.24mg程度のビタミンK2を摂取できるため、予防が可能になると考えられます。
詳細は関連記事『納豆で幼児期までの健康リスク低減が期待できる理由』をご覧ください。
納豆のビタミンK2による「骨折および骨粗しょう症の予防効果」
金木医師らの研究で、閉経女性の大腿骨骨折は西日本が多く、東日本は少ないという報告がなされました。
納豆摂取回数が多い東日本と摂取回数の少ない西日本の患者の血中のビタミンK2濃度を比較したところ、やはり東日本で高いことが判明しました。
この研究結果以外にもいくつかの研究成果があり、納豆の「骨折および骨粗しょう症の予防」という健康効果が示唆されたのです。
病院でビタミンK2製剤を処方してもらわなくても、日々の納豆生活で予防できるのは良いですよね!
詳細は関連記事『納豆を食べると骨粗しょう症予防が期待できる理由』をご覧ください。
【留意点について】ビタミンK2摂取量とワーファリンとの併用
骨粗しょう症の治療薬として「メナキノン-4」が1日あたり45mgもの大用量で処方されていますので、よほどの量でないと深刻な副作用を引き起こさないと考えられます。
しかし、ビタミンK群は血栓を溶かす薬であるワーファリンの作用に大きな影響を与えるため、ビタミンK2とワーファリンとの併用は避けなければなりません。以下に、解説するので、かかりつけ医に相談してください。
納豆によるビタミンK2の摂取量について
ビタミンK2には過剰症は知られていないため、常識の範囲内での納豆の摂取量(1日2パック程度)であれば健康被害は起きません。安心してください。
【注意点】ワーファリンとの併用は危険!
以下の理由で、ワーファリンとの併用は危険です。ワーファリンを服用している方は納豆を食べないようにしてください。
納豆を食べたい人は、必ずかかりつけ医へ相談してください。
ワーファリン以外の抗血栓薬に変えてもらいましょう!
ワーファリンは古い薬であり、他の薬や食品などとの相互反応で薬の効き目が大きく異なることが分かってきました。
そのため、現在ではもっと安定して効果が期待できる別の抗血液凝固薬を処方する医者も増えていますので、ぜひ相談してみましょう!
一般財団法人日本食品分析センター「ビタミンK」
まとめ|特に女性や高齢者の健康維持には『納豆食』がおすすめ!
![まとめ|特に女性の健康維持には『納豆食』がおすすめ! まとめ|特に女性の健康維持には『納豆食』がおすすめ!](https://natto-daisuki.com/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
納豆に豊富に含まれる【ビタミンK2】の健康効果について解説しました。
ビタミンK2以外にも様々な機能性成分を豊富に含む納豆を毎日食べることは健康維持にとても役立ちます。
ビタミンK2の健康効果
ビタミンK2には、骨密度を増やす作用と胎児の新生児メレナなどの病気を予防する働きがある。
また、動脈硬化を抑制する可能性があり、高齢者にはぜひおすすめしたい食品です。
納豆による女性の健康維持効果
ビタミンK2以外にも納豆には女性の健康維持効果がたくさんあります。
別の記事で解説しますが、どの年代の女性にもぜひ食べていただきたいのが納豆です!
妊娠中の女性であれば、胎児の健康維持と健やかな生育のために葉酸が必要となりますが、納豆にも豊富に含まれています。
生理が始まる年齢から閉経後の女性には、生理に伴う不快な症状や更年期障害の症状を緩やかにすることが明らかになっている大豆イソフラボンを多く含む納豆はおすすめ食品です。
ぜひ、あなたも、今日から納豆食を始めてください。
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